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川合健二邸 写真提供:川合花子/川合健太郎/栗田伸一(モノクロ)、アセテート(カラー) 科学者であり設備設計家、そしてプラントエンジニア。1913年愛知県豊橋生まれ。1958年丹下健三設計の「(旧)東京都庁舎」で設備設計家としてデビュー。その後、丹下建築の設計を数多く手がけ、「図書印刷原町工場」(1958年)で建築学会賞を受賞。また、科学者として日本初の吸収式冷凍機を設計。プラントエンジニアとしては、1971年ディーゼルエンジンによるエネルギープラントを設計している。1966年、暗渠に用いられる土木用鋼鈑であるコルゲートを用いたに自邸「川合健二邸」を建設。大きな話題となる。その自邸にて亡くなる直前までクリーンエネルギーに関する研究を続ける。1996年12月26日没。 ◆川合健二邸とは? 川合が地元・豊橋で自給自足の生活を送るために設計した、文字どおり「鉄の家」。 土木用建材であるコルゲートパイプを世界で初めて住宅に転用した建築であり、楕円のパイプとハニカムによるその独特の構造は、完成から40年以上が経過した現在でもその新鮮さを微塵も失っていない。 また基礎を持たないことから、竣工当時は建築基準法の適用外にあったという伝説を持つ。 この建築をもとに、後に建築家・石山修武のデビュー作である「幻庵(1975年)」など多数の後続が生み出されることになる。その構法の未来は未だ計り知れない。 |