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フォークナーの言葉によれば、
「過去はけっして死なない。過去は過ぎ去りさえしない」

そのうえ、
この力としての過去ははるか起源に辿り着こうとしながら、
後方に押し戻すのではなく前方に押し出そうとする。

大方の予想に反して、
われわれを過去へと押し戻すのは未来である。

つねに過去と未来のはざまに生きる人間からすると、
時間は連続帯つまり途絶えることなく連続する流れではない。

時間は、
中間すなわち「彼」が立つ地点で裂けている。

そして「彼」の立つ地点は、
我々が通常理解しているような現在ではなく、
むしろ時間の裂け目ギャップである。

しかもこの裂け目は「彼」の絶えざる戦い、
「彼」が過去と未来に抗することによって存在する。


ハンナ・アーレント「過去と未来の間」
翻訳:引田隆也/斎藤純一








I
n the words of Faulkner, "the past is never dead, it is not even past." This past, moreover, reaching all the way back into the origin, does not pull back but presses forward, and it is, contrary to what one would expect, the future which drives us back into the past. Seen from the viewpoint of man, who always lives in the interval between past and future, time is not a continuum, a flow of uninterrupted succession; it is broken in the middle, at the point where “he” stands; and “his” standpoint is not the present as we usually understand it but rather a gap in time which “his” constant fighting, “his” making a stand against past and future, keeps in existence.

“Between Past and Future”
Hannah Arendt