アセテート編集者日記

アセテート編集者による日記です。
編集作業の実況中継のほか、編集者のつぶやきを掲載しています。
*editorNの日々のつぶやきはhttp://twitter.com/rheninに移行しました。ここではきちんと本の制作進行をお伝えします。また書評等も掲載予定です(091018)。

editorNからのおうかがい

日本建築学会の大会が8月末にありました。そこで日本近代建築史ジャンルの発表の司会をしてきたのですが、その前後の発表も含めて簡単に言うと、今の20代ぐらいの研究者の、既往研究についての読み込み、批判しようという姿勢があまりにも不足していることに、驚いてしまいました。情報は確かに増えているんですけどね。もう優しい顔で情報を伝えるぐらいしかできなかったorz

以前の日記にも書いたのですが、これはたとえば
『日本建築宣言文集』(絶版、1470円、彰国社)がAmazonマーケットプレイスで50000円で売っていたりとか(今確認したら無くなっていたから良心の呵責に耐えきれず出品を辞退したのだと勝手に思うことにする)
●基礎文献である『日本の建築 明治・大正・昭和』三省堂とか『日本近代建築学発達史』丸善(藤井恵介先生が復刊の祝辞など述べているがそんなおめでたい価格か?)などが、事実上手に入らない
といった建築出版の凋落が直接関連しているとしか思えなかった。

でここからが本題なのですが、editorNの実名名義の中谷礼仁『国学・明治・建築家』1993年という本の内容をもうネットで公開してしまおうかと思っています。古本が好きな方は定価の3倍以上の値段でどうぞ買って下さい。当方が20代に書いた若気の至りに充ち満ちた本です。"Look back in anger"って感じ。
もはや自分ではセヴェラルネス以降な感じなのですが、この本は引用の多さで今でも有用だと思います。基本文献はおさえ、明治、大正、昭和初期の『建築雑誌』はすべて読んだ上で引用を厳選していますから(4割ぐらい引用!)、簡単な孫引きには今でも使えると思うのです。
本当はもう一回きちんと改訂して、あわよくばアセテート以外から再版したいとも思っていたのですが、もう状況が許さなさそう。そりゃ本にした方がうれしいです。「読者の経験」という傷をつけられる物質になるから( by 山本貴光)。

5人ぐらいの方から要望がありましたら(でもこの日記がトップから消えたら要望もなくなりそうですね)、中谷ゼミナール内にて、現在の目である程度改訂したものを公開したいと思います。その時にはネットならではの独自性を持たせなければならないのかな。

当方で勝手に公開できるのは自分が著作権を持つものに限られていますので、どうか御意見をお聞かせ下さい。公開しないときは要望がなかったときだけですので、かなり悲しいけど。

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editorN - カテゴリー:Nの日記 09/01/07