アセテート編集者日記

アセテート編集者による日記です。
編集作業の実況中継のほか、編集者のつぶやきを掲載しています。
*editorNの日々のつぶやきはhttp://twitter.com/rheninに移行しました。ここではきちんと本の制作進行をお伝えします。また書評等も掲載予定です(091018)。

ククイカフェとオペラシティ(山内さんは画業に専念すべし)

先週金曜日リンク先に紹介されている『僕のニコニコ堂*山内祟嗣』展のディナーショーに参加(登場者だからなのかディナーはでなかったけど)。
acetate003の長嶋康郎さんとトーク、値付けについて、ニコニコ通信の登場人物のその後、ニコニコ堂の二階の居候(匿名)の話などありました。少し開始が遅かったので、これからという時にタイムアップだったのが残念だったのですが、なにはともあれ、このような企画を断行してくれたククイカフェさんこそ一番えらいと思います(と長嶋さんが言っていたのでそうだなーと思いました)。
ククイカフェいいところですから行ってください。長嶋さんの何となくコレクションの実物も購入できますし、ニコニコ通信もただ読みできますし(試し読み!)、買えたりもしますので。当方は長嶋さんが泣きながら譲ってくれた青唐津のアクリル継ぎという、長嶋さん発明の逸品を持参して皆様にその感触を楽しんでいただきました。また当日書籍をお買い上げいただいた方には長嶋さんがチャンと一カット描いてくれて僕も欲しいなあと思いました。
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で、次の土曜日、山内さんのオフィシャルデビューというかなんかそんな感じの展示会に行ってきた。会場はオペラシティギャラリー。エスタブリッシュされていますねえ。何はともあれおめでとうございます。
ところがいきなり、ククイカフェのさっきのディナーショーの宣伝の黒板がおいてあったりして、長嶋さんとかeditorNの実名とか書いてあって、つくづく空気読めないというか外すなあと失笑。
展示構成についても、ちょっといじりすぎたところもあって、まだまだ山内氏のふらつきが見える。そのふらつきを彼の今回の展示を紹介したリーフレットでは現代的としているんだけど、そうかなあ。やはりふらついているんだと思います。彼の筆致特有のスペルマが散っているみたいな触感もやはりステロタイプ的な現代性が少し感じられてこれまであまり好きではなかった。
ところがですよ、いくつかすごい絵があった。これ見ただけでも良かった。当方美術プロパーではないからあまりその面の言葉は持っていないんだけど、描き手の思うところをつい読んでしまったり、あからさまにそれを誘う絵があります。僕はそういうのはあまり好きじゃない。ところがこう、もうなんとでも解釈してくださいというぐらい(「自由に解釈してください」という安易な〈モード〉ではなく)こちらの思いを充分許容してくれる絵が時たまあります。すでに作者から離れているといったらいいのか。。。それが3枚ぐらいありました。今後育っていくような兆しの絵。だからそれがすごいうれしかった。考えてみれば、山内さんがあれだけニコニコ堂の品々を敬愛しているのも、ニコニコ堂の「なんとなくコレクション」がそれと共通した事物としての強度を持っているからに違いない。それを人間が仕上げたと考えてみれば、当方の基準ではよくやったなあという感じがしたというわけです。

結論→世の中に画業という言葉がある。この「業」という言葉はおもい。山内さんはそれを深く受け止められ、軽率な情報サービスなど世の中に行わず、友達も大切とは思うけれども、業をもって世の中に奉仕して欲しい。でも本当に良かった良かった。大器晩成であることを心から祈ります。途中でデザイナーとかに転身したら、もう友達やめます。絵がかわいそうだし。
そのあとアセテートの新しい企画(もしかしたら第一期アセテートの最後かなあという感じ)のために、謎の援助人フジ・グループに接触。共同で本を作ることを確約して、大阪に深夜到着でありました。

注意:彼の展覧会は階下で行われている建築家伊東豊雄『新しいリアル』展と同時併載ゆえ入場料が1000円もかかってしまいます(売り場で上品にぶーたれたら、夜は500円ということでした。)。というか伊東豊雄展に行かれたらぜひその階上も覗いていってください。「新しいリアル」ということであればその素直な萌芽はむしろ山内さんのその3枚の絵から感じられます。まっ建築じゃないのですが、時代を共有する表現物として。
参考:他の方の山内評http://d.hatena.ne.jp/eyck/20061030
editorN - カテゴリー:Nの日記 12/03/06