アセテート編集者日記

アセテート編集者による日記です。
編集作業の実況中継のほか、編集者の呟きを掲載しています。
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2008年 7月 05日 (土曜日)

平松剛支持宣言

I氏から薦められて、平松剛『磯崎新の「都庁」 戦後日本最大のコンペ』を早速購入。いやこれは面白い。acetate006のモンちゃんぐらい面白い。
建築家賛辞も建築家批判も、時に抽象的な「建築家」に対してになりがち。等身大の人間活動としてのそれを忘れてしまいがちなのだ。しかしこの本そこらへんきちんと押さえてある。だからちょっとした皮肉(実は相応の批判でもある)にも愛がある。一般史や副次資料の使い方もうまい。単なる資料が立体的に構成されて息づいている。因縁の過去と未来に行きつ戻りつ。新都庁舎に名を借りた日本近代建築史の総括の気配すらある。ちょっと認識ちがうところはあるが、入門書として的を得た情報が手際よい。
そして人間が行なうからこそ、奇跡があり得るわけで、神が奇跡を起こすのは当たり前。というわけで磯崎新周辺のことをよく歩いて聞いて書いている。その姿勢を遅ればせながら支持いたします。

面白かったのは、だいたい誰でもそうなんだけど、呼び捨てにされる時って、その人の中で自分が気安くなった時なのだ。だから世間でいう偉い人に、
「editorNさん」
と呼ばれると緊張するわけであるが、やはり
「editorN」
と呼び捨てされた時はもうこれは逃げるか一生つきあうかを決めないといけない時期なのだ。
磯崎新氏も部下に対する、やはりそういうことをしでかしているのであって…
まあとにかく面白いから読んでください。

そのほか
・丹下さんは「しでかしてない」みたいですね。藤森照信の労作『丹下健三』にのっていなかった丹下氏の所内の雰囲気もわかって興味深い。すばらしく狡猾。

・『10+1』に連載されていた磯崎インタビューはこういうツッコミがやはりちょっと足りなかったのではないかと。「ワンダリング・セブンティーズ」という聞き込み記事を現在書いている我が身をもかえりみつつ謙虚に受け止めたい。
- editorN -

2008年 6月 30日 (月曜日)

ニコニコ通信21きたー

長嶋康郎さんからとうとうニコニコ通信21号がキター。
ただし途中書きかけ号というまた大それた号である。
表紙の絵(後日アップ予定→アップしました)と裏表紙の写真がすばらしかったので電話してお礼とともに聞いた。

表紙の絵は長嶋さんの描いた絵で、売った家具に描いた絵だそうで、同じような話しがニコニコ通信にもでてくる。うーんこれは欲しいなあ。
後ろ姿の少女の隣に同じ姿勢をした犬が描かれているのわかります?

そうそう、長嶋さんの筆の進みを遅くしていたブログから長嶋さんは完全撤退。ネット自体からも。今は小道具ニコニコ堂もたたんだ。
しかーし、新しい店を開いている。その名も

ニコニコ自然道具園

である。住所は185−0032 国分寺市日吉町3−8−12

大きな地図で見る

そのほか長嶋さんの近況としては、文庫本になった『古道具中野商店』(内部連絡*editorKさんリンクはってください。→はりました)のあとがきを担当したり、雑誌『ダ・ヴィンチ』8月号に息子さん(長嶋有)と登場するらしいです。

クリス・フォーセットという死んだ建築評論家&研究者の遺稿についていろいろとお世話になった平山明義さんが、いきなり大阪から東京に来た。彼によると最近発生した「釜ヶ崎暴動2008」は大阪ではそれなりの事件ではあるが、マスコミが以前に比べてきちんと取り上げていないといっていた。確かに東京では静かだ。というか知らなかった...イラク戦争以来マスコミから一定の距離をとっているのはもう普通になってしまったが、とはいえネットの情報など一番あてにならない。自分で見ないと何ともいえないと思い、いろいろ出かける癖はついた。まあ偏っているわけだけど。
ググると新聞よりこんなものが上にでてくる。
http://www.indymedia.org/en/2008/06/908975.shtml
http://www.gyokokai.org/~gasparo/osakacity/kama_080613.htm
http://www1.odn.ne.jp/~cex38710/thesedays13.htm
- editorN -

2008年 6月 25日 (水曜日)

まちがえながら身につけるという画期的プログラミングの書籍

研究室に来たら、あのお世話になっている山本貴光さんから書籍の謹呈があった。しかーしなんとコンピュータープログラミングの本である。『デバッグではじめるCプログラミング』、いやこれはわからん、ごめんなさいと思って、原稿終わるまで積んでおいた。
今日おそるおそる手にした。手紙が入っていた。読んでようやく納得した。プログラミングがわかるかどうかは不安だが、この手紙の内容はわかった。公開してもよいと思ったので転載。
「本書は、プログラミングの正しい順序だけでなく、間違った道筋もたどってみることでプログラマの思考の流れを追求できるようになっております。また掲載サンプルの多くには、あらかじめバグが混入されており、解説の中で触れた以外のデバッグも体験できる画期的(?)な内容と自負しております。 株式会社 翔泳社 出版局 第2編集部」

なるほどこれはブログラマの思考をセヴェラルにたどれるという意味で画期的な本なのだ。といっても体験できるかどうかは一歩でもたどれるかどうかにかかっている。山本貴光さん、アセテートも負けずにがんばります。
- editorN -

2008年 6月 16日 (月曜日)

初校送る

土曜日6時間に及ぶ長時間会議。原稿など読み合い、かなり進展する。
acetate015〜『グラウンド・ツアー』は総力体制で編集しているが、外部協力者の反応もよいので大変スムース(校閲いただいた先生方、本当に有り難うございました)。
川合健二マニュアル以来アセテートの亡霊に取り憑かれてしまったeditorGが徹夜で調整し、日曜日は当方が最終調整し、藤森照信先生にまず初校を送った。
まだテキストデータ段階なのであるが。
今後は特製ガイドや、レイアウト方面、図版不足分の拡充など進めることになる。

泳げる頃にはなんとかなるかな。。。ちょっと無理かも。

・ひょんなことからeditorIが時限付きで参加することに。プロの人。いやこれは思ってもなかったすばらしい出来事。
・アセテートの再版問題について、あるグループ(早く名前出したいのだけれども)ととにかくテストケースを7月ぐらいには行なおうという話しになる。

●平山圭さんから『ディスポジション 配置としての世界』をいただく。装丁がフニュッとしていて(薄い半透明のろう引きのポスターを折り畳んで使用)、ちょっと冒険だったろうと思うけど、当方は好みです。
内容もおそらく、ポスト・「ポストクリティック」の予感。しっかり肥やしにさせていただきます。

●フォトグラファーズ・ギャラリーの最新刊もぜひ紹介したい内容なのだが、この雑誌写真なのに文章が多くて読み切るのに時間かかる。写真一枚「読む」のにも時間かかるんだから、本当に凝縮された本である。コストパフォーマンス高すぎ。
- editorN -

2008年 6月 09日 (月曜日)

来なかった「謎の人」

2週間ばかり前だろうか。研究室内のアセテートに連絡があった。
実はacetate008『川合健二マニュアル』におさめられた写真の多くが、父の残した段ボール二つ分に入っていて、箱にカワイと書いてあるのだという。
自分ではどうするつもりもないので、ぜひもらってほしいのだが…というお話であった。これはまた奇妙な話しだということで今日あうことを約束した。
しかしこの日記を書いた時点で(約束の時間より4時間を経過したのであるが)、その人はまだ見えていない。editorN, editorGとも机で張り付いて待っていたのだった。

うーん、何かけむに包まれた気分。与えられた情報は断片的だったのだが、何か暗号だったのだろうか。
名前は「イチロ」という方でイチロは「白一」と読むのだそうだ。教えてもらった連絡先に電話してみる。でてこられた方は、知らないという。不思議不思議のまま今日は終わるのだろう。
- editorN -

2008年 6月 02日 (月曜日)

acetate015-019 藤森照信著『グラウンド・ツアー』のベージを公開しました。

日頃よりアセテートを懇意にしていただいている皆様
新しい刊行物(現在編集中)のページを公開しました。
ぜひ訪れてやってください。



書名:グラウンド・ツアー
著者:藤森照信著

グランド・ツアー?
いえいえ〈グラウンド・ツアー〉です。

超古代へ、生の根源へ向かった藤森照信の実証的背景をいま、あきらかに。
藤森照信20年間の旅の記録。ノート・写真ほぼすべて藤森照信。
ロング・インタビュー、各界専門者による万全な校閲、必ず到達できるガイド付き

《全5巻目次》
第1巻 「泥もの」
第2巻 「石もの」
第3巻 「積みもの」
第4巻 「地底もの」
第5巻 「UFO」

なんとか泳げる頃には…
- editorN -

2008年 5月 20日 (火曜日)

佐野繁次郎の装丁モダニズム展

佐野繁次郎による装丁については林哲夫さんのdaily sumusの紹介で知り始めたのですが、今度東京で林さんの企画と出品(要はコレクションかな)で、展覧会があるようですのでお知らせします。

佐野繁次郎の装幀モダニズム展

6月1日(日)-3日(火)10-18時
東京古書会館 2階展示室
企画・出品:林哲夫、西村義孝
後援:アンダーグラウンド・ブック・カフェ

展示関連講演会:
「モダニスト佐野繁次郎の装幀について
+佐野本の集め方」
林哲夫+西村義孝
日時:6月1日(日)13時より
東京古書会館7階会議室にて
101−0052
千代田区神田小川町3−22
03−3293−0161(代表)
参加料:500円(当日)

アンダーブックグラウンドカフェ 地下室の古書店にて


- editorN -

2008年 5月 13日 (火曜日)

精興社の書体

言語社会2が送られてきた。一橋大学大学院言語社会研究科発行による紀要だろうか。おそらくアセテートでも何回か紹介したことのある山本貴光さんからご紹介いただいたのだと思う。
言語社会を扱うだけあって、さすがに文字に気を配っている。その繊細さ、グラフィックをほとんど使っていない分、鍛え抜かれていて、ちょっと息が詰まるぐらいである。当方にはちょっと字が小さいが。
目次がダウンロードできるのであるが、なんかおもしろそうでしょう?

当方が以前聴講したレクチャーをもとにした山本さんの論もはいっているけれども、そのほかにも興味ある論文が満載。タイポグラフィの歴史を扱ったものや、「神の前における謙遜の営みについて」などというインタビューもある。どの世界にも、かなり「いっている」人がおられ、それが紙面に素直に出ている点がまことにすばらしい。



で、小さいインタビューが挿入されていることに気づく。
この雑誌の書体を統括し、印刷も行っている精興社だ。内容は少なすぎてちょっと物足りなかったのだが、精興社の書体はいつか使いたくて仕方がない。前ある書籍を作るときにサンプルを探していた。そのすべてが精興社の書体だったのだ。つまりはお気に入りということだ。視認性が抜きん出てよろしい。
でも精興社での印刷でしか使えないため(と、そのときの編集者の人はいっていたが今はどうなのだろうか)、おそらくアセテートの発行物では予算が合わないで無理だろうなあ。いつかなにかの機会に使いたいなあ。はあ。

精興社書体
- editorN -

2008年 5月 12日 (月曜日)

長谷川堯の現在との格闘論集二冊

鹿島出版会から、長らく絶版になっていた長谷川堯渾身の名著『神殿か獄舎か』(相模書房)がSD選書として、復刊したことは以前紹介した通りであります。
しかしながら今回の復刊、オリジナルの三部作のうちボディとなる二部までを収録して、同時期に長谷川が書いていた現代建築批評部分である第三部を割愛していた。

鹿島出版会はわざとアセテートのために余地を残していてくれたのか?などと受けて立とうという気分になっていたのですが、
すっきり鹿島から出ました。脇甘くないな。むしろ独立させたのが慧眼というところでしょうか。他の建築論も収録しています。
『建築の出自』『建築の多感』いずれも長谷川堯建築家論考集と副題がついています。

ここには僕の好きな菊竹論もはいっていています。ぜひ本屋さんで手元にとってめくってみてください。

そういえば最近早稲田大学の大学院の芸術系必修の授業、要はデザインやる人が必ずとらねばならない授業で、コーリン・ロウの話ししたらあまり反応がよくない。もしかしてと思って『マニエリスムと近代建築』読んだ人ときいてみたら、なんと一人だった。愛校心のためにあえて書いておきます。再来週は読み会することにした。

言葉がない建築はかわいそうだし、建築のない言葉もかわいそうだ。
- editorN -

2008年 5月 07日 (水曜日)

飯野巌(いいの・いわお)さんのご冥福をお祈りいたします。

川合健二の息子さんから連絡がありました。
川合健二の右腕だった技術者飯野巌(いいの・いわお)氏が逝去されたようです。
この人なくしては実験的な設備関係の実働はありえなかったとのこと。
川合健二マニュアル作成中も聞き取りを試みたのですが、果たせなかったのが残念です。
ご冥福をお祈りします。
編集出版組織体アセテート
- editorN -
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